第26回日本遠隔医療学会学術大会

大会長挨拶

 このたび、第26回日本遠隔医療学会学術大会を、さいたま市の埼玉会館にて2022年10月28日(金曜日)・29日(土曜日)の2日間にわたって開催する運びとなりました。
 本学術大会の第1回大会は、本学会の前身である第1回遠隔医療研究会として1997年3月に東京の灘尾ホールにて開催されました。そして、2022年の本大会でちょうど四半世紀を経た節目の年になります。1997年というと、遠隔医療が一定の条件下では医師法で禁じた無診察診療に抵触しないとした、遠隔診療に法的根拠を与える解釈が当時の厚生省から示された年で、いわば遠隔医療元年になります。そして、今大会の大会長を仰せつかっている私自身、この第1回遠隔医療研究会での発表も経て今日まで、臨床医学の分野に限らず、多彩な分野の研究者や企業の方々と活発な議論と協働作業を重ねたお陰で、遠隔医療研究に携わってこられました。
 そこで、本大会でも、臨床医である大会長と、これまでに多くの共同研究を行ってきた社会医学、情報工学の各分野の専門家を大会3役とした体制で準備を進めております。また、特別講演には、多方面から遠隔医療の発展に係わられてこられた方々として、遠隔外科手術の導入など臨床研究に従事された先生、オンライン診療の診療報酬点数化に尽力された先生、介護保険や地域包括ケアなどの我が国の社会保障に関する仕組みづくりに中心的な役割を果たされた先生、等々の方々にご登壇いただきます。さらに、教育講演では、今後、遠隔医療にも導入が進むと予想される、AR、VRなどのメタバースに関わるヒューマンインターフェース研究分野の先生もお迎えします。
 現在、遠隔医療は、デジタル化、SDGsなど、多くの変化が訪れるパンデミック社会におけるゲームチェンジャーとして、さらなる飛躍を遂げる時期が来ています。そのためには、特にオンライン診療の保険点数化以降、増加しつつある様々な分野の臨床医学に関わる医療従事者をはじめ、情報工学や社会医学などの多くの分野の研究者、さらには、これらの開発に関わる企業の方々との協働作業がますます重要になると思われます。本大会では、これらの遠隔医療にかかわる多種多様な皆様の発表と交流の場を提供できることを願っています。
 なお、このような大会の使命を果たすために、新型コロナ感染の流行状況の先が見えないなか、どのような状況下でも大会参加者の交流の場を損なわないよう、ハイブリッド開催を目指して準備を進めております。企業展示についても、バーチャル展示など、大会開催の場と期間以外にも交流を深められるような仕組みも導入予定です。多くの皆さまからの演題のご応募、ならびに、大会へのご参加とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

2022年2月

第26回日本遠隔医療学会学術大会
大会長 本間 聡起
独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO)
埼玉メディカルセンター 健康管理センター長

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